映画:『メゾン・ド・ヒミコ』
この映画を「好き!」と言う人と「イマイチ…」と言う人の両者の気持ちが分かるような。
決して悪くはないんだよね。端々のセンスは良くて、主人公の職場の新人が髪を掻き上げる仕草で社長と関係を持ったことを示唆するところとか、「キュピキュピキュピーン」での泣かせ方とか、その孫の女の子が可愛くないとこなんかも絶妙だし。
なんだけど、もう一撃何かが欲しくもなってしまい。うーん。核となるべき主人公と父親との葛藤と和解に深みがなかったのが惜しかったのかな。もっと絡みがあっても良かったような。なんだろうなぁ。雰囲気は良いんだけど、それを越えて訴えかける何かがもう一息欲しかった。
書けば書くほど好みの問題かという気もしてきたが、同監督・脚本の『ジョゼと虎と魚たち』の方が私は好きです。
本:『ダヴィンチ・コード』
映画を見たかったので、先に小説を読んでおくことにしました。
あらあらあら、面白いじゃないか。(笑)うん、グングン読み進めることができて、映画化されると知っているからか、脳裏に映像が浮かぶ感じ。
ちょっとタイプが違うけど、『邪馬台国はどこですか?』という小説を読んだときにも感じた、歴史上の謎に引き込まれるワクワク感があります。いやぁ、本当に“最後の晩餐”のナイフを持った手は不思議だ。ただ、ちょっとなんでもこじつけすぎ!と突っ込みたくなる部分もありますが。(ディズニーも影響されている!話はいかにも胡散臭い。(笑))
それで読み終わって意外だったのが、登場人物の描き方なんですよね。最後の方には主人公二人よりも冒頭では悪役にしか思えなかった人たちに対して涙なのでした。変なところで感情移入してしまった。(T_T)