えぐしろ日記

剛さんが大好きみたい。( ・ω・ )/剛さんのお芝居情報には、尋常でない喰いつき方をします。

本:『告白』

 面白かった。グイグイ読みすすめることができました。
 視点が変われば、描写も変わる。一つの事実が、まったく違う色合いで見えてくる。実際の世の中もそうなんだと思う。そして多分作者が「何が“心の闇”じゃ!」と思っていそうなところがベースに感じられたので、それも共感しやすかった。
 
 が、それだけに、ラストの締め方はこれで良かったのかな?と疑問。
 エンタテイメント小説として捉えるなら、「ハイ、これでオチがつきました〜」って終わるかもしれないですけど、社会的な面を意図するしないに関わらず織り込んできている小説になっているだけに、女性教師は地に足がついてないといけないようにも感じたし、ある程度女性教師側に立って読んでいたはずの読者は、共感が失われてただの人事の絵空事を眺めて終わっちゃうような気もする。

 でも、面白くて一気に読めちゃうのは本当なんで、なるほど、本屋大賞を取っただけのことはあるなぁと思いました。
 ただし、明るい気持ちになる作品ではないことは確かなので、そういうのが苦手な人はパスした方がよいかもしれません。