『CARS』
ウッカリ涙してしまいました。映画館の席には親子連れが多く、子供のために入った親御さんも多かったと思うんですが、これは、むしろ親御さん達に沁みる話だと思う。
寂れてしまった町の描写も、そこに住む気のいい住人も味わいを出していて、対照的に華やかなレースの世界の描写もいい。
私が涙してしまったのは、ポルシェとの大自然の中のドライブから、ネオンを修復した町のとこらへんです。作り物なんだけど、観客がその大自然に感動してしまえるほどの映像美もすごい。
でもって、“見ていて楽しい”という根本的なエンターテイメント性が素晴らしいと思う。
ところで、吹き替え版しかやってなかったのでそちらを見たんだけど、最後にどうやらシューマッハがゲストでアフレコしてたみたいですね。ちょっとそれは聴いてみたかった…。(笑)
『ゲド戦記』
ゲド戦記なのに、ゲドは脇役なんか…?(笑)テルーがおいしい役所だったような。
お話の方は、うーん、原作の一部を抜き出した?せいか、これ単独の作品としてみると、非常に説明不足というか。
王子アレンの日常や心の動きの描写が不足していて、口で言う「生きる事への不安」というのが説明っぽく聞こえてしまう。(共感しにくい。)
均衡が崩れつつある世界の描写が、現実の狂牛病だとか麻薬だとかそういうものとあんまり簡単に結びつきすぎて、独特の世界観の構築に至らずに説教じみて聞こえてしまう。
ゲドと悪役との過去の出来事もまったく説明が無く、消化不良気味かなぁ。そして“悪役を倒して終わり”な作りが、原作があるとはいえ、もう一息なにか無かったかな?と。悪役側の描写も、もっと欲しかったような気がします。